CHAPTER 3 転調パターン
@ 平行調へ転調
CHAPTER 2で紹介したコード進行のうちEX-9mとEX-10mの2つをくっつけて連続させてみましょう。連結させる際、トゥー ファイブを形成させるために4小節目をBdim7からB♭7に変化させます。(Bdim7=B♭7-9と解釈する場合もある)
これを2回繰り返して弾きます。8小節目の :|| に来たところで1小節目の ||: まで戻って2回目を演奏します。2回目は1.カッコは演奏せず2.カッコを演奏して終了です。小節順でいうと1-2-3-4-5-6-7-8戻る1-2-3-4-5-6-7(「1.」をとばして「2.」へ)9-10となります。
ギター譜EX-11m 平行調Key=E♭M7へ転調
→ Key=Cm | (Um7 TWO FIVE X7 →Key=E♭) |
→ Key=E♭ | (Um7♭5 TWO FIVE X7 →Key=Cm) |
3、4、5小節目にFm7→B♭7→E♭M7のトゥー ファイヴ、そして7、8、(繰り返して)1小節目にDm7♭5→G7→Cmのトゥー ファイブが出現してきました。トゥー ファイブにより2つのキーを連結した例です。(このうち、B♭7はダイアトニック コードなので、機能上はセカンダリー ドミナントともサブドミナントとも解釈できます。)
Key=Cm〜Two Five→ Key=E♭〜Two Five→ Key=Cm〜Two Five→ Key=E♭
というふうにCmとE♭の2つのキーを行き来しています。
さて、この2つのキーの調号を確認してみましょう。→Major Key編CHAPTER 3 キーとダイアトニック コード@キーについて
調号とは楽譜の最初に記される♭や#のことです。
Key=Cm、Key=E♭ともに♭が3つですね。上のギター譜EX-11mもやはり♭3つになっていますね。転調しているのに・・・です。このように、メジャー キーとマイナー キーで調号が同じものを平行調(リラティブ キー)といいます。
平行調間の共通点は互いのダイアトニック コードにあります。
Key=C minor | Tm7 | Um7♭5 | ♭VM7 | Wm7 | Xm7 | ♭YM7 | ♭Z7 |
Cm7 | Dm7♭5 | E♭M7 | Fm7 | Gm7 | A♭M7 | B♭7 | |
Key=E♭ | Ym7 | Zm7♭5 | TM7 | Um7 | Vm7 | WM7 | X7 |
Key=Cmのナチュラル マイナー スケールを基にしたダイアトニック コードの♭VM7をTM7として並べなおしたものがKey=E♭、逆にKey=E♭のダイアトニック コードのYm7をTm7として並べなおしたものがKey=Cmとなります。
なぜこのような関係になるかというと、Cナチュラル マイナー スケールの第3音(E♭)を第1音として並べなおしたスケールがE♭メジャー スケールになり、そのスケール上に構成されるコードがこれらのダイアトニック コードになるからです。基になるスケールが同じならダイアトニック コードも同じというわけです。