CHAPTER 1 マイナー スケールとコード
B 主要和音と代理コード
マイナー キーの全てのダイアトニック コードが出揃いました。
メジャー キー編で行ったようにマイナー系ダイアトニック コードを主要和音(トニック、サブドミナント、ドミナント)とその代理コードに分類してみましょう。もちろん、ここでも分類の目安は主要和音と代理コードの共通音です。
EX-6m マイナー3系統のダイアトニック コード 機能分類
Tonic | sub Dominant | Dominant | |
主要和音 | Cm7 | Fm7 | G7 |
CmM7 | |||
代理コード | E♭M7 | Dm7♭5 | Bdim7 |
Am7♭5 | A♭M7 | Gm7 | |
A♭M7 | B♭7 | (Bm7♭5) | |
F7 | (E♭aug) | ||
Dm7 |
Tonic | sub Dominant | Dominant | |
主要和音 | Tm7 | Wm7 | X7 |
TmM7 | |||
代理コード | ♭VM7 | Um7♭5 | Zdim7 |
Ym7♭5 | ♭YM7 | Xm7 | |
♭YM7 | ♭Z7 | (Zm7♭5) | |
W7 | (♭Vaug) | ||
Um7 |
さすがにダイアトニック コードが15個もあると機能の仕分けもボリュームありますね。
表の代理コードは上から使用頻度の高い順に並べてあります。また、カッコのコードはほとんど使用されていません。
A♭M7(Y♭M7)はトニック、サブドミナント両方の機能をあわせ持っていますが、どちらの機能に属すかは前後のコード進行により決まります。
注目してほしいのはサブドミナントで、これらのコードはマイナー キーに限らずメジャー キーにおいてもサブドミナント マイナー コードとして頻繁に転用されています。
トニックはこれらのコードを転回形にして連続して並べ、クリシェとしての使用がよく見られます。(特に古い曲に多い。かといって、筆者が古い人間で古い曲を多く知っているわけではない。)
ドミナントはG7(X7)のみの使用がほとんどです。また、G7(X7)−Bdim(Zdim)の代理関係をセカンダリー ドミナントに転用するやり方も多くみられます。